「うちの子、周りに比べて落ち着きがないかも……」
リトミックのレッスン中、エネルギッシュに動き回るわが子の姿を見て、期待よりも先に戸惑いや申し訳なさを感じてしまう親御さんは、実は少なくありません。
「○○ちゃん、今日も元気いっぱいだね〜!」
先生からはそう言われたけれど、ママやパパの心の中はちょっと複雑。「すみません!」と他の親御さんに謝り、肩を落として帰路につく……そんな経験はありませんか?
せっかく月謝を払っているのに、ちっとも参加できていないように見えると、「うちの子、集中力がないのかな?」と思い悩んでしまいますよね。
でも、その「自由すぎる動き」の中にこそ、リトミックで一番大切にしたい”音楽への反応”が隠れているんです。実は、走っているようでちゃんと「聴いている」。この視点を持つだけで、”反省タイム”が”発見タイム”に変わります。
そして、実はお子さんにはキラリと光る「音楽の才能」が隠れているのかもしれません。
「もう!」が「すごい!」に変わるとき
「もう、また勝手に走ってる!」
そう思って見ていると、実はその足音がピアノのテンポとぴったり合っていることがよくあります。ただ無秩序に走り回っているように見えても、よく観察してみてくださいね。
- ピアノが速くなると、お子さんの足取りも速くなる
- ピアノが力強くなると、ドスドスと力強く踏み込む
- ピアノが止まった瞬間、一瞬だけ動きが揺らぐ
もしこれらが当てはまるなら、お子さんの「耳」は音楽を驚くほど正確にキャッチしています。
脳が「この音楽は速いぞ!動け!」と指令を出し、身体がそれに即座に反応している証拠。これはとっても素晴らしい「聴く才能」なんです。
メリハリは、後からついてくる
「なんでうちの子だけ止まれないの?」
そんなふうに焦ってしまうママパパの気持ち、よくわかります。でも、「音が止まったらピタッと止まる」というルールを守らせようと必死になる必要はありません。
子どもたちはまず、「音が鳴ったら動きたい!」という本能的な喜びを育てる時期。それが十分に満たされると、自然と「止まる」もできるようになります。
たとえるなら、音楽に恋をしているようなもの。好きすぎて、じっとしていられないんです。その気持ちを止めるより、「いいね、音が楽しいね!」と共感してあげることが、次のステップへの一番の近道なんですよ。
「型」にはめるのは、音楽を心から楽しめるようになってからで十分間に合います。今はその感性の鋭さをまずは肯定してあげてくださいね。
周りの子ではなく、1ヶ月前の我が子と比べてみませんか?
ついつい「隣の子はちゃんとできてるのに…」と比べてしまう。でも、リトミックは”競う”場所ではありません。周りの子が完璧にこなしているように見えても、比べるべきは「過去の我が子」です。
1ヶ月前の我が子を思い出してみてください。
- 先月は教室に入るのを嫌がって泣いていた
- 以前はママの足にしがみついて離れなかった
もし今、教室の中を自由に(たとえ暴走気味でも!)歩き回れているのなら、それは場所や音に慣れ、自分を表現できるようになったという「大きな成長」です。
音楽の世界は、誰かと同じテンポで進むものではありません。それぞれのリズムで、自分の音を奏でていく。ママパパがその歩みを信じて見守ることで、お子さんの感性はどんどんふくらんでいきます。
だから、完璧じゃなくていい。走ったって、泣いたって、途中でママパパから離れなくなってしまっても大丈夫。音を聴いて、心が動いているなら、それがいちばんの成功なんです。
「まあ、今日も元気いっぱいだったね!」と笑える日こそ、最高のリトミック日和。今日、お子さんが見せてくれた「自由すぎる反応」は、その子にしかない感性の現れです。
どうぞ「聴く才能」を、お子さんと一緒に面白がってあげてください。きっとその瞬間、音楽がもっと優しく、お子さんの中に響き始めますよ。

