読み聞かせから音楽へ繋げる!リトミック講師が選ぶ絵本3選

「次のレッスン、何をしよう…」

リトミック講師を始めたばかりのころ、レッスン前になるといつもこの言葉が頭の中をぐるぐるしていました。毎回何を用意すればいいのか分からず、手探りの状態が続いていました。でも、何もしないわけにはいかない。ネタ切れの焦りと、目の前の小さな体に何を届けたらいいのか分からない不安と……新人講師の頃の私は、正直そのプレッシャーに押しつぶされそうになっていました。

そんな私を救ってくれたのが「絵本」でした。

絵本は、赤ちゃんにとってすでに馴染みのある存在です。おうちや保育園で読み聞かせをしてもらった経験があるお子さんも多く、絵本を開くだけで自然と集中モードに入ってくれます。そして絵本の中には、実は「歩く」「走る」「ジャンプする」「模倣する」といった、リトミックの基本動作のヒントがたくさん詰まっているんです。

今回は、読み聞かせからそのまま音楽活動へ繋げやすい絵本を3冊、選び方のポイントと一緒にご紹介します。乳児リトミックのネタに悩む新人講師さんの引き出しが、少しでも増えるお手伝いができたら嬉しいです。

絵本を選ぶときのポイントは「動作に繋がる余白があるかどうか」。ストーリーが完結しすぎている絵本より、赤ちゃんの体が自然と動き出す”スキマ”がある絵本のほうが、リトミックには向いています。

目次

絵本①「おにぎり」

内容紹介: 赤ちゃんにとって身近な食べ物「おにぎり」がテーマの絵本です。ごはんをにぎって、のりを巻いて…というシンプルな展開が、赤ちゃんの生活実感にぴったり寄り添います。

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なぜリトミックに向いているのか

「おにぎり」がいい理由は、なんといっても題材の身近さにあります。乳児のお子さんにとって、「毎日食べているごはん」は、実感を持って向き合える題材なんですよね。

さらに、おにぎりを「にぎる」という動作は、赤ちゃんの手や指を使った模倣活動にそのまま応用できます。両手をぎゅっぎゅっと合わせる動きは、握力や手指の感覚を育てる意味でも取り入れやすい動作です。

レッスンでの活用アイデア

  1. 絵本を読み聞かせながら、「ぎゅっ。ぎゅっ。」のフレーズで両手を合わせる動きを一緒にする
  2. スカーフを丸めて「おにぎり」に見立て、握る・包む動作を模倣する
  3. のりを巻く場面では、スカーフを体に巻きつけたり、両手でくるむ動きを取り入れる
  4. 最後に「できあがり!」の合図でスカーフを高く持ち上げ、達成感を演出する 【ここまで】

実はこの「おにぎり」、私が担当していたクラスでも子どもたちの反応が良かった絵本なんです。ページをめくるたびに一緒におにぎりを「にぎにぎ」してくれる子が多くて、こちらが助けられました。笑
できあがったおにぎり(のスカーフ)を「どうぞ」と口元に持っていくと、みんな「ぱくっ」と食べる真似をしてくれるのがたまらなく可愛いんです。難しい導入は要らない、ということを教えてもらった一冊です。

絵本②「いない いない ばあ」

内容紹介: 日本の赤ちゃん絵本の定番中の定番。「いない いない ばあ」というシンプルな繰り返しが、赤ちゃんの安心感と期待感をくすぐります。


なぜリトミックに向いているのか

この絵本の一番の強みは、大人と子どもの「ふれあい遊び」に直結しやすいことです。「いないいないばあ」は、赤ちゃんが人の顔が見えなくなっても存在し続けることを理解していく過程(対象の永続性)にも関わる遊びだと言われていて、親子や講師との信頼関係づくりにもぴったりです。

また、「隠す→現れる」というシンプルな構造は、スカーフを使った活動と非常に相性が良いんです。

レッスンでの活用アイデア

  1. まずは絵本を最後まで読み聞かせ、「いないいないばあ」のリズムとページをめくるタイミングを一緒に楽しむ
  2. 読み終えたら、講師が自分の顔をスカーフで隠し「いないいない」で待ち、「ばあ!」でスカーフを外す
  3. まわりの大人にも同じ動きをしてもらい、ふれあい遊びに発展させる
  4. 慣れてきたら、赤ちゃんの手にスカーフを持たせて、自分で「いないいない・ばあ」に挑戦してもらう
  5. ピアノで「いないいない」はソシレ(Ⅴの和音)、「ばあ」はドミソ(Ⅰの和音)を弾くと、聴覚的な期待感も育つ

絵本③「くつくつあるけ」

内容紹介: 小さな靴が、ぱたぱた、とんとん、ぴょんぴょんと様々な歩き方で進んでいく絵本。歩き始めて間もない乳児にとって身近な、動きのバリエーションが魅力です。


なぜリトミックに向いているのか

この絵本は、リトミックの基本動作である「歩く」「走る」、そして「ジャンプする」の3つに、そのまま繋げられる貴重な一冊です。絵本の中で靴がジャンプする場面もあるので、歩く・走るだけでなく跳ぶ動きにも展開できるのが嬉しいポイントです。

歩く速さの違い(ゆっくり歩く・小走りする)を絵本の展開に合わせて体感できるので、テンポ感覚を育てる導入としても優秀です。

レッスンでの活用アイデア

  1. まずは絵本を最後まで読み聞かせ、「ぱたぱた」「とんとん」「ぴょんぴょん」といった歩き方の違いを言葉と絵で楽しむ
  2. 読み終えたら「くつくつあるけ、ごっこ」として、ゆっくり歩く場面は低い音でゆっくりしたビート、走る場面は高めの音で軽快なビートを鳴らしながら実際に体を動かす
  3. ジャンプの場面では、月齢に応じてアプローチを変える。歩ける子には講師がジャンプして見せて真似してもらい、まだ跳べない月齢の子は膝の屈伸や上下運動、あるいは保護者に抱っこで優しく持ち上げてもらって、跳ぶ感覚を疑似体験させる

まだ歩けない月齢の子でも、保護者に抱っこしてもらったり、膝の上で足を動かしてもらったりするだけで、ちゃんと「動きの感覚」を受け取ってくれます。月齢に合わせて代替案を用意しておくと、講師側の気持ちにも余裕が生まれますよ。

まとめ

今回ご紹介した3冊は、どれも特別な準備や高度なピアノスキルがなくても、明日のレッスンから取り入れられるものばかりです。

  • 「おにぎり」→身近な食べ物から模倣活動へ
  • 「いない いない ばあ」→ふれあい遊びとスカーフ活動へ
  • 「くつくつあるけ」→歩く・走る・跳ぶの基本動作へ

絵本は、赤ちゃんと講師をつなぐ「共通言語」のようなものだと感じています。ネタに困ったときこそ、まずは絵本棚に立ち寄ってみてください。きっと、次のレッスンのヒントが見つかるはずです。

今回ご紹介した絵本は、いずれも乳児向けの定番絵本です。お手元にない場合は、リンクから詳細をご確認いただけます(画像・購入リンクはリンク先ページでご確認ください)。

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この記事を書いた人

音楽大学を卒業後、一般企業を経て保育業界へ転職。保育士資格を取得し、その後リトミックの資格も取得。現在は保育事務とリトミック講師のダブルワークをしながら、一児の母として奮闘中です。
講師になりたての頃は「指導案どうしよう」「子どもが動いてくれない」と悩む日々。その経験があるからこそ、同じ悩みを持つ先生に寄り添いたいとブログでの発信を始めました。現場で使えるリトミックの指導案や実践アイデアをお届けしています。
楽譜制作も行っており、YouTubeチャンネル「きいのおと」での動画公開やPiascoreでの楽譜販売もしています。

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