「リトミックの講師になりたいけど、資格がないから無理かな…」 「音楽は好きだけど、ピアノがそんなに得意じゃない。それでもなれるのかな…」
もしあなたが今、そんな気持ちでこのページにたどり着いたのなら、まずお伝えしたいことがあります。
大丈夫です。その不安、私も全部通ってきました。
こんにちは、リトミック講師のきいです。実は私、音楽大学を卒業したものの、ピアノは決して得意ではありませんでした。しかも新卒で入ったのは音楽とはまったく関係のない一般企業。そこから保育業界へ転身し、保育士資格を取り、リトミック資格を取得して、今こうして講師として子どもたちと向き合っています。
遠回りに見えるかもしれない私の道のりですが、振り返ってみると「未経験だからこそ見えたもの」もたくさんありました。
この記事では、
- リトミック講師になるための一般的な方法(資格の種類や取得ルート)
- 未経験から講師になるまでの現実的なステップ
- ピアノが得意でなくても大丈夫な理由
- 働き始めてから直面しやすい悩みとの向き合い方
を、私自身の経験も交えながらお伝えしていきます。「なりたいけど一歩が踏み出せない」というあなたの背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
「そもそもリトミックってどんなもの?」という方は、先にこちらの記事から読んでいただくのもおすすめです。

リトミック講師になるための主な方法
リトミックの資格とは?
リトミックは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズが考案した音楽教育法で、「音楽を聴いて体で感じ、動きとして表現する」ことを大切にしています。(リトミックについてより詳しく知りたい方は「リトミックってなに?」の記事もあわせてご覧ください)
この考え方を子どもたちに伝える講師になるには、一般的に民間の教育団体やスクールが認定するリトミック資格(ディプロマ・認定講師資格など)を取得するルートが広く知られています。
リトミックには国家資格はなく、複数の民間団体・スクールがそれぞれ独自のカリキュラムで資格を発行しています。団体によって学ぶ内容や取得までの期間、費用は異なるため、「自分に合うかどうか」を基準に選ぶことが大切です。
資格取得の主なルート
資格取得までの流れは団体によってさまざまですが、一般的には次のようなステップを踏むことが多いです。
- 通学・通信講座での受講:音楽理論、身体表現、ソルフェージュ(聴く・歌う・読譜する力)、即興演奏などを学ぶ
- 実技試験・筆記試験:習得した内容を試験形式で確認する
- 資格取得後の継続研修:資格取得後も継続的にスキルアップできる研修が用意されている団体もある
学ぶ内容としては、ダルクローズ・メソッドの三本柱と言われる
- ユーリズミクス(身体表現)
- ソルフェージュ(音を聴く・感じる力)
- 即興(音楽的な瞬発力)
を軸にしたカリキュラムが組まれていることが多いです。
資格がなくても講師になれるケースもある
「資格がないと絶対に講師になれない」というわけではありません。
- 保育士や幼稚園教諭として働きながら、園内でリトミック要素を取り入れる
- 音楽経験を活かして、地域のサークルや自主開催の教室からスタートする
- 資格取得と並行して、アシスタント講師として現場に入る
といった形で、資格取得前後に現場経験を積みながらキャリアを築いていく人も少なくありません。ただし、教室に所属して働く場合や、対外的な信頼を得たい場合には、資格を取得しておくことで選択肢が広がりやすくなります。
未経験からのステップ|きい自身の道のり
ここからは、私自身がどんな道のりを歩んできたか、少しお話しさせてください。

「音大を出ているなら、リトミック講師になるのはスムーズだったんじゃない?」とよく言われるのですが、実はそうでもなかったんです。
簡単に振り返ると、私のステップはこんな流れでした。
管楽器を専攻し、音楽の基礎は学んだものの、ピアノは得意科目ではありませんでした。
音楽とはまったく関係のない仕事からキャリアをスタート。「音楽を仕事にする」という選択肢からは一度離れた時期でした。
子どもと関わる仕事に惹かれ、保育の世界へ。ここでリトミックの存在をあらためて意識するようになりました。
子どもの発達や保育の専門知識を学び、保育士として現場に立てるように。
保育の現場経験を積みながら、リトミックを体系的に学び直し、資格を取得しました。
音大卒業からリトミック講師になるまで、一直線だったわけではまったくありません。一般企業での経験も、保育士としての現場経験も、今のリトミック指導にちゃんと活きています。
私がなぜ一般企業からキャリアを転身したのか、ピアノが弾けないままどうやって講師になったのか——このあたりの詳しい経緯は、自己紹介記事でじっくりお話ししています。


「未経験だから」「回り道をしているから」と不安になる必要はありません。むしろ、遠回りの中で得た経験が、リトミック講師としての引き出しを増やしてくれることもあります。
ピアノが得意でなくてもリトミック講師になれる理由
「音楽大学を出ているのに、ピアノが得意じゃないなんてありえるの?」と思われるかもしれませんが、これは本当のことです。
リトミックで大切にされているのは、
- 音楽をどう感じ、どう体で表現するか
- 子どもの動きや反応をどう受け止め、次の展開につなげるか
- その場の空気や子どもたちの様子に合わせて、柔軟に活動を組み立てる力
といった部分です。もちろんピアノが弾ければ活動の幅は広がりますが、「ピアノが完璧に弾けること」自体が講師としての絶対条件ではありません。
ピアノに自信がなくても、CDや音源を活用したり、シンプルな伴奏から少しずつ慣れていったりすることで、リトミックの指導は十分に可能です。大切なのは「完璧な演奏」よりも「子どもと音楽を一緒に楽しむ姿勢」です。
このあたりの考え方や、私が実際にどう乗り越えてきたかについては、以下の記事でさらに詳しくお伝えしています。


講師になってから直面しやすい悩みと向き合い方
資格を取得し、いざ講師として現場に立ってみると、想像していなかった悩みにぶつかることもあります。ここでは、講師として働き始めてから多くの人が感じやすい悩みと、その向き合い方についてお話しします。
指導案づくりに時間がかかる
「子どもたちのために良い活動を用意したい」と思うほど、指導案づくりに悩んでしまうものです。特に慣れないうちは、テーマ決め・曲選び・展開の組み立てに想像以上の時間がかかります。
最初から完璧な指導案を作ろうとしなくて大丈夫です。まずは一つの活動をシンプルに組み立てて、実際にやってみながら少しずつ調整していく——そんな進め方で十分です。
子どもが思うように動いてくれない
指導案通りに進めようとしても、子どもたちは予定通りには動いてくれません。むしろ、思いがけない反応や動きこそがリトミックの面白さでもあります。
「計画通りに進めること」よりも「今、目の前の子どもたちが何を感じ、どう動きたいと思っているか」を大切にする視点を持てると、少しずつ気持ちが楽になっていきます。
経験を積むほど見えてくるものがある
これらの悩みは、経験を重ねるうちに少しずつ形を変えていきます。「うまくいかなかった」と感じた回も、次の活動を組み立てるための大切な材料になります。焦らず、一つひとつの現場経験を積み重ねていくことが、講師としての土台を作っていきます。
まとめ|まずは小さな一歩から
リトミック講師になる道は一つではありません。
- 資格を取ってから現場に立つ人
- 現場で経験を積みながら資格取得を目指す人
- 保育や音楽以外の経験を経てから転身する人
どのルートを選んでも、「子どもと音楽の時間を大切にしたい」という気持ちがあれば、その一歩はきっと未来につながっていきます。
私自身、音大を出たのにピアノが得意ではなく、一度は音楽と関係のない仕事に就き、保育の世界を経てリトミック講師になりました。回り道のように見えても、その経験の一つひとつが今の指導に活きています。
「資格がないから」「ピアノが苦手だから」と諦める前に、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか。



