梅雨の季節、お外遊びができない日が続くと、子どもたちも保育者もなんとなく気持ちがこもりがちになりますよね。
そんな時期こそ、リトミックの出番だと私は思っています。
雨の音、かたつむりののんびりした動き、あじさいのやわらかな色。梅雨にしかない素材が、実はリトミックの活動にぴったりなんです。
今回は、6月にそのまま使える乳児クラス(0〜2歳)向けのリトミック指導案をご紹介します。
活動概要
ねらい
・音楽に合わせて身体を動かす心地よさを味わう
・「音が鳴っている・止まっている」の違いに気づき、聴く力の芽生えを促す
・スカーフやちぎり絵などさまざまな素材にふれ、感覚を広げる
対象・準備物
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 0〜2歳児クラス(乳児) |
| 実施時期 | 6月(梅雨) |
| 活動時間 | 約40分 |
| 準備物 | スカーフ(人数分+予備)、あじさい台紙、ちぎり絵用の折り紙または丸シール、のり、ピアノまたは音源 |
| 使用曲 | グーチョキパーでなにつくろう・かたつむり・おはながわらった・即興演奏 |
活動の流れ
① はじまりのうた
いつものはじまりのうたで、「今日もリトミックが始まるよ」という空気をつくります。
毎回同じ曲・同じ流れにしておくと、0歳の子でも「あ、始まった」と身体が反応するようになってきます。これがリトミックの積み重ねのおもしろさだと、私自身いつも感じているところです。
きいのおとオリジナルのはじまりのうたの楽譜はPiascoreにて無料で配布しています。ぜひご活用ください。
② ウォーミングアップ→「かたつむり」でストップ&ゴー
〈ウォーミングアップ〉グーチョキパーでなにつくろう
活動のねらい:手指を動かしながら音楽に親しむ、「かたつむり」のテーマへの導入
まずは手指のウォーミングアップから始めましょう。「グーチョキパーでなにつくろう」を歌いながら、最後に「かたつむり」の手の形へと自然につなげていきます。
アレンジの流れ
- 右手パー・左手パー →「ちょうちょ」 両手をひらひらさせてちょうちょが飛ぶ様子を表現します。
- 右手チョキ・左手グー →「かたつむり」 「あ、かたつむりができたね!」と声をかけながら、手で作ったかたつむりをゆっくり動かします。そのまま「かたつむり」の歌へ自然につなげましょう。
0歳の子は保育者が手を持って一緒に動かすだけでOKです。1〜2歳になると自分で形を作ろうとする姿が見られるようになります。うまくできなくても「できた!」と一緒に喜んでいきましょう。
グーチョキパーでなにつくろうの楽譜はこちら↓
〈ストップ&ゴー〉かたつむり
活動のねらい:音楽が鳴っている・止まっているの対比を身体で感じる
ストップ&ゴーは、リトミックの定番活動のひとつです。「かたつむり」は子どもたちにも馴染みのある曲で、テンポも落ち着いているため、0歳クラスでも取り入れやすいのが魅力です。
やり方
ピアノが鳴っている間は、保育者と一緒にからだを動かします。ハイハイの子はハイハイで、歩ける子は歩いたり揺れたり。曲が止まったら「あれ?止まっちゃったね」などと声をかけて空気を共有しましょう。
0歳の赤ちゃんは保育者の膝の上で抱っこしながら一緒に揺れて、止まったときに「止まったね〜」と語りかけるだけでOKです。まだ言葉が少ない時期でも、保育者の声かけや身体の変化はしっかり伝わっています。
曲について
「かたつむり」をそのまま使ってもいいですし、即興演奏でも大丈夫です。即興の場合は低めの音域でゆったり弾くと、かたつむりらしい雰囲気が出ます。
声かけ例
- 「かたつむりさん、のそのそ歩くよ〜」
- 「あれ?止まっちゃったね、かたつむりさんお家に入っちゃったかな」
- 「また出てきたよ、いくよ〜!」
ピアノのポイント
止まるときは音をぶつっと切るのではなく、フレーズの終わりで自然に終止させるとスムーズです。慣れてきたら止まるタイミングをランダムにすると、子どもたちの「聴く力」がぐっと引き出されます。
かたつむりの伴奏楽譜は2種類ご用意しています。
③ 雨のリズム活動
活動のねらい:音の短さ・細かさを身体(指先)で表現する
梅雨らしく、雨をテーマにしたリズム活動です。
やり方
「雨が降ってきたよ」と声をかけながら、一本指でピアノの音に合わせて床や膝をトントンたたきます。
ピアノはスタッカートで「ぽつ、ぽつ、ぽつ」と弾きます。最初はゆっくり、慣れてきたら少しテンポを上げて、雨が強くなってきた様子を表現してみてください。
0歳の子は保育者が手を添えて一緒に動かします。また、先生が子どもたちの身体をぽつぽつとやさしくつついてあげると、スタッカートのニュアンスが身体で伝わりやすくなります。1〜2歳になると「ぽつぽつ!」と声を出しながら自分でやり始める子も出てきて、そこが一番かわいい瞬間です。
声かけ例
- 「雨が降ってきたよ、一本指で降らせてみよう」
- 「ぽつ、ぽつ、ぽつ…」(ピアノに合わせてゆっくり)
- 「あ、雨が強くなってきた!」(テンポアップ)
- 「やんだ〜、よかったね」(スタッカートをやめてゆっくり終止)
④ ちぎり絵製作(あじさい)
活動のねらい:指先を使う感覚を楽しむ、季節の自然物にふれる
雨のリズム活動から自然につなげて、「雨が降ったら、あじさいが咲くんだよ」と声をかけながら製作活動に移ります。
用意するもの
- あじさい台紙(©きいのおとオリジナル/本記事より無料ダウンロードできます)
- 紫・青・ピンク系の折り紙(小さくちぎって使います)または100均などで手に入る丸シール
- のり(丸シールを使う場合は不要)
やり方
- 折り紙を小さくちぎる(1〜2歳は自分で、0歳は保育者が用意しておく)。最初に保育者がちぎる様子を見せてあげると、子どもたちもイメージがつかみやすくなります。
- 台紙のあじさいの花の部分にのりを塗る
- ちぎった紙または丸シールを貼っていく
0歳の子は保育者がちぎった紙を渡して、台紙に貼るだけでも立派な製作です。のりの感触を楽しむこと自体がねらいになります。丸シールはのり不要で貼れるので、0歳クラスでも扱いやすくておすすめです。
1〜2歳になると「自分でちぎりたい!」という気持ちが出てきます。うまくちぎれなくても、指先に力を入れる経験そのものが大切です。急かさず、子どものペースで進めてください。
あじさい台紙(無料)
©きいのおとオリジナルの台紙を無料でお使いいただけます。印刷してそのままご活用ください。

⑤ スカーフであじさいを咲かせよう(表現活動)
活動のねらい:音楽の変化をスカーフの動きで表現する、長調・短調の雰囲気の違いを身体で感じる
製作が終わったら、今度はスカーフを使って「あじさいが咲く様子」を表現します。製作→表現とつながることで、子どもたちの中に「あじさい」のイメージが広がりやすくなります。
やり方
スカーフを一枚ずつ手渡します。子どもたちがスカーフを受け取る瞬間、それ自体がもう活動です。0歳の子はスカーフを顔にかけてもらって「いないいないばあ」にしてもいいですね。
〈活動1〉スカーフでゆらゆら
2分音符に合わせて、スカーフをゆ〜らん、ゆ〜らんとゆっくり揺らします。保育者が大きくゆったり動いて見せると、子どもたちも自然に真似をし始めます。「おはながわらった」などゆったりした曲が合います。「お花が咲いたよ〜」と声をかけながら、スカーフが花びらになるイメージで。
〈活動2〉長調・短調の聞き分け
- 長調(明るい・晴れやかな感じ)→ スカーフをゆらゆら揺らす
- 短調(しっとり・雨の感じ)→ スカーフを傘にして頭にかぶる
「あ、雨が降ってきたね」「お日さまが出てきたよ」など言葉を添えると、子どもたちがイメージを持ちやすくなります。1〜2歳になると、音が変わった瞬間に自分でさっとかぶり始める子も出てきて、「聴いている」姿が見えるのがリトミックならではの楽しさです。
ピアノのポイント
- 〈活動1〉は2分音符のテンポでゆったり弾く → スカーフがふわっと揺れやすい
- 〈活動2〉は長調と短調を行き来するとき、転調を明確に。同じメロディでも調を変えるだけで子どもたちの反応が変わります
保育者が音楽と動きで「こんなふうに動けるんだ」を体現することが、リトミックでは何より大切です。
⑥ おわりのうた
はじまりのうたと同じく、毎回同じ曲・同じ流れで締めくくります。「終わり」の見通しが持てることは、子どもの安心感につながります。
「今日も楽しかったね」「また来週ね」と声をかけながら、ゆったり終わりましょう。
使用楽譜まとめ(Piascore)
今回の指導案で使用している楽譜は、すべてPiascoreにてご購入・ダウンロードいただけます。
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♪ はじまりのうた・おわりのうた(無料) ▶ 楽譜を見る(Piascore)
♪ グーチョキパーでなにつくろう ウォーミングアップで使用。手指の動きと歌を組み合わせた導入にぴったりです。 ▶ 楽譜を見る(Piascore)
♪ かたつむり「らくらく!伴奏シリーズ」(初心者向け) ▶ 楽譜を見る(Piascore)
♪ かたつむり「イロドリ!伴奏シリーズ」(初〜中級者向け) ▶ 楽譜を見る(Piascore)
指導案PDFはBASEで販売中
この記事の内容をまとめた指導案PDFをBASEにて販売しています。ねらい・活動の流れ・声かけ例をひとまとめにしていますので、印刷してそのまま活動前の確認にお使いいただけます。あじさいのちぎり絵台紙も同封しています。
楽譜は「楽譜あり」「楽譜なし」の2バージョンをご用意しています。はじまりのうた・おわりのうた・グーチョキパーでなにつくろう・かたつむり、それぞれ楽譜付きで確認したい方にも、楽譜なしでスッキリ使いたい方にもお選びいただけます。
まとめ
梅雨の時期は、外が使えない分、室内でどれだけ豊かな体験ができるかが勝負だと思っています。
かたつむり・雨・あじさいというテーマは、子どもたちにとって身近でイメージしやすく、音楽・身体・製作・表現とさまざまな活動につなげやすいのが魅力です。
ぜひ今年の6月、試してみてください。
リトミックの基本についてはこちらの記事もあわせてどうぞ。


